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24歳 春
先日、TBSラジオ「荻上チキSession22」で1994年に起きたルワンダ虐殺事件の特集をしていた。「ちょうど」私の生まれた年のことだと興味を持ち、リアルタイムで聞くことのできなかった個所はストリーミング放送を聞いた。
最近1994年に起きたできごとを取り上げた特集番組をよく見かける。端数であり、なぜ今更そんなときのことをいぶかしく思っていたのだが、1994年とはちょうど四半世紀前に当たることにようやく気が付いた。誕生日は秋で、まだ24歳であるためにまったくその時間感覚がリンクしなかったのだろう。
それにしても、だ。特集を聞くまでルワンダで大規模虐殺が行われたということを全く知らなかった。そして、今、知人に薦められて本事件を扱ったルポ作品『ジェノサイドの丘』を読んでいる。あまりに凄惨で飲み込むことのできない事実もさることながら、人間の行為から見えるその存在の脆さに、まだ1/4程度しか読めていないにも関わらずショックを受けている。しかし、特集を聞かなければ私は一生このことを知らないでいたかもしれなかった。なんと恐ろしいことか。
当たり前だが、世界には私の知らないことはごまんとある。しかし、その「知らないこと」は、人間ひとりの知の限界を考慮した上で、知るべきか否かで切り捨てられたものごとではない。たまたま通り過ぎてしまった/出会い損ねてしまったものごとなのだ。久しぶりに、知らないことへの恐怖を覚えた。思い出せてよかった。まだ、取り返せる。